工学部とはどういう場所か

この記事は半分真実であり、半分は学生時代を振り返った際の筆者の愚痴でもある。筆者の場合、周りにいる大人(家族や親戚)は公務員や文系の人が多く、工学部という場所がどのようなところであり、また何を学んで、どのような人間になるのか全く想像出来なかった。
また、同じような周りの高校生は「俺は大体どういうところか分かっているよ」という顔をしていたし(しかし尋ねても具体的な返答があるわけではない)、工学部の生徒で塾のバイトをしている人がいたのでその人に聞いても「普通に勉強をするところだよ」と言われて全く想像が出来なかった。人は自分が知らなかった時代のことは忘れてしまうものだと痛感してものである。
さらに愚痴みたいになってしまうが工学部を目指す学校の教師でさえ工学部がどのような場所かしらないのである。
よってこの記事は高校生、あるいは工学部を目指す人のために書かれたものであり、その人達の人生の指針、その一助となることを目的としている。

 

カリキュラム、研究内容を見よ!

多くの大学、科では授業のカリキュラム、また3-4年次に行う研究の内容をネットで公開している。それを参考にしてみるのが良いだろう。もしもカリキュラム上で「プログラミング講座」とあればプログラミングを学ぶ機会があるし「情報学特論」とあればそれを学ぶ機会がある。
さらに踏み込んでシラバス(授業概要)をネット上で検索がもし可能であれば行ってみよう。そこには授業の概要や、必要な教科書が書かれているはずだ。中学校までの教科書と違い、大学の教科書は一般に販売されている。どのようなことを学ぶのか、書店に脚を伸ばし、内容を確認するのも一つの手である。
研究については基本的にそこに書かれているもののみを行うと思って間違いないだろう。もし仮に「自動車が大好き」という人は「ロボット専門大学」のような大学に入るべきではない(そのような大学があるのかは謎だが)。「やりたい研究は自分で決める。自分で研究テーマを立ち上げる」と受験生のやる気に満ち溢れている時点では思うかもしれないが、はっきり言って卒業研究の段階で自分で研究を立ち上げるのは不可能に近い。というのも卒業研究とは1年で行うものであり、さらにその1年では就職活動や院試の勉強をしなくてはいけないからだ。それになにより研究を一度も行ったことのない人間が教授陣に「卒業しても良い」と思わせるほどの研究を立ち上げることが出来るか、という問題がある。大抵の場合は幾つかのテーマの中からやりたいものを選ぶ(選ぶ権利があるかどうかは学校の制度による)形式になるだろう。その選択肢はおおむね4-5年は変わらないはずである。
よってカリキュラム、研究テーマを調べ自分のやりたい研究、勉強の出来る大学、学科を受験しよう。

その後の進路について

工学部がどのような進路を辿るか、それを悲惨と取るか良いととるかは人によるだろう。ここでは事実のみを述べたいと思う。
各種の仕事がどのような仕事を行っているかは別の記事に記している。

 

tententa.hatenablog.com

 


工学部で、もしも研究職に就きたいと考えているのなら可能な限り上位の大学に進むべきである。具体的には旧帝大以上でないと研究職はよほどの挽回が無くては厳しいものがある。もちろん、不可能というわけではないが学歴による差異は確実に存在しているのだ。

工学部の進路のメリット

一般的な話になるが工学部は文系職よりも転勤が少ない、というメリットはある。それに給料も最低限はもらえるだろう。建築や機電系は特に需要が高く、偏差値がそこまで高くない大学でも大手企業に就職できる可能性は十分にある。

工学部の進路のデメリット

給料は『最善』ではない。筆者はもっとも給料をもらえるサラリーマンは文系の中にいると考えている。具体的には商社に務めているような人たちだ。つまり日本のサラリーマンはとても優秀な文系>とても優秀な理系>それ以外の理系>それ以外の文系の順で給料が良い。自分のことを「優秀」だと考える人間は文系に行くべきだとも言える。実験やレポートが少ない分自分の時間を持つことが出来、楽しい学生生活を過ごすことができるだろう。
またもう一つのデメリットとして「地域によって就職先が少ない」ということがあげられる。工学部の就職先は多くの場合企業に依存する。地元就職を狙う場合には地元に製造業があるかどうかを確かめたほうが良い。これは東京のような都市部でも同様である。都市には仕事が多いかもしれないが、工学部系の職場は土地が安い郊外や田舎にある場合も多々ある。自分が将来行きたい企業の立地条件を高校生の時からでも確認しておくのが良いだろう。

総括

あくまで筆者の考えになるがまとめると『工学部は悪くはないが最善ではない』というものになる。仕事として医者や公認会計士、薬剤師など需要のある資格を得ることが最善ではないか、と筆者は考えているからだ。隣の芝は青いというが、彼らは自立することができる。しかし工学部の学生は自分の進路を多くの場合企業に依存するし、また自立するとしても並々ならぬ金額が必要となる上、給料もそこまでは良くない。その上悪くすれば激務ですらあり得る。
初めにも書いたがこれはあくまで半分は真実であり、半分以上は筆者の愚痴である。「好きなものづくりをして一生を暮らしたい」と考えている人は是非工学部へ入学してほしい。

 

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